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水と空気を巧みに御した次世代型オフィス
ZEBとは
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物のことです。
水・風・光・熱、自然エネルギーを最大限に活かし、 ゼロ・エネルギービルを目指す
躯体(外皮)の高断熱・高気密化に加え、庇・外付けフィン・外気利用といった“パッシブな建築手法”と、井水熱利用・太陽光発電・風力発電・マイクロ水力発電といった“アクティブな建築手法”の双方を有効活用することによってエネルギー消費量の77%削減※を可能としました。執務スペースでは、井水を利用した天井からの輻射冷房や床からの滲み出し暖房を採用するなど、温度ムラのない理想的な執務環境づくりに挑戦しています。
広島県で初めて事務所ビルの Nearly ZEBを取得したテラルは、培ったノウハウを進化させ、ZEBリーディング・オーナーとして今後もZEBの普及に取り組んでまいります。
※ 一次エネルギー削減率(省エネルギー+創エネルギー)
自然エネルギー利用システム(図解)
水
Water
井水利用空調
1井水熱源幅射冷房(2階)
2階の天井には井水熱を利用する幅射パネルを設置し、幅射冷房を行います。
外周にはチルドビーム(※)を設置して除湿した空気をチルドビームに送り、室内空気を誘引した気流によりペリメーター側の負荷を処理します。
※除湿外気を誘引したコイルと室内空気との熱交換を行う空調パネル
2床滲み出し暖房(2階)
床から微風速で滲み出すカーペットを設置し、快適な暖房を行います。
この暖房システムは「頭がぼーっとする」「足元だけが寒い」ということが起こらない「頭寒足熱」の快適空調空間になります。
3井水熱源ヒートポンプエアコン(1階)
1階は冷房・暖房が混在する場合に熱回収運転ができる、省エネルギー高効率水熱源ヒートポンプユニットを設置します。
4マイクロ水力発電機
井水系統は、マイクロ発電機で電力回収します。
マイクロ水力発電機は2011年から大学との共同研究で水車ユニットを技術開発して以来、水車部分はポンプの技術を活かし、商品化に向けた技術開発に取り組んでいます。
熱
Heat
太陽熱利用
5太陽熱集熱器(給湯用)
トイレの給湯に太陽熱利用給湯システムを利用します。
太陽熱を集熱し、給湯に利用することで省エネルギーを図ります。
6空調用太陽熱集熱器+蓄熱槽
屋上に太陽熱集熱器を設置し、デシカントロータの乾燥「再生」に利用します。
光
Light
太陽光発電
7太陽光発電パネル+蓄電池
発電された電気を蓄電し、晴天時はバッテリーに充電しながら運営における電力に使用します。
風
Wind
小型風力発電機
マルチモードロータ
空調機
8小型風力発電機
2012年から大学との共同研究で開発したバイオミメティクス(※)技術適用の小型風力発電機を本計画敷地内に設置。発電量をモニタリングしています。厳しい自然に順応した鳥の翼の動きを風車の羽根車に適用すれば、低風速稼働で風速や風向の変化にも追従しやすい、効率的な風力発電機となります。
※生物規範
9マルチモードロータ空調機
輻射冷房を実施した場合、輻射天井パネルを結露させないために湿度コントロールは必須です。
2階の換気はマルチモードロータ空調機によって、デシカント機能と全熱交換器機能を1台のマルチモードロータの速度制御で可能となりました。
冷房時はデシカントロータ(※1)、暖房時は全熱交換器(※2)として、効率よく処理します。
-
※1
デシカントロータ:「吸湿ロータ」により空気中の水分を除湿するロータ。「吸湿ロータ」で吸い取った水分は、太陽熱を2段階(高温・低温)で利用し、効率よく乾燥(再生)させる。
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※2
全熱交換器:換気によって失われる空調(暖房)エネルギーの熱を回収する換気ロータ。
BEMS制御
10BEMS(照明制御)
2Fの照明を6グループに分け、電力値が増加した際に2段階にわたり照明の照度を制限し、電力値の低減を行います。各空調系統に対しては、電力値が増加した際に段階的に能力抑制を行うことにより、電力使用量の低減を行います。
また、各室の用途に応じて各種センサー制御を行い、照明に係るエネルギーを削減し、BEMSによる照度コントロール機能及び状態表示を行います。
環境に貢献する次世代オフィス
水と空気が存在するところ、そのすべてがテラルのフィールドです。
水を送るポンプ、風を送るファン。
テラルは、お客様が求められる様々な価値を付加していくことで、製品・商品の用途を広げてきました。
創業百周年を迎える2018年に完成した新社屋は、企業活動が環境に及ぼす影響に配慮し汚染と予防に取り組み企業ビジョンである「水と空気で未来を創る」を随所に反映しております。
併せて、 次世代型オフィス建築のモデルケースを目指し、省エネルギーと快適な執務環境の両立を実現しました。